「ミルナの禁忌」白倉由美 角川書店
グロテスクなファンタジー、すごく分厚い本です。心理学と宗教用語と死体の話の合間に「ミントキャンディのような、優しく、甘い声」だの「瑞々しいチェリーのようなくちびる」という言葉がふいにでてくるので要注意。(何にだ)
ミルナの禁忌
骨と血管だけの標本のようになった彼女に表情はすでにない。
「ミルナ、扉を開けなさい」とそれは言う。
「扉のむこうにリアルな死がある」
続いている、とミルナは思う。ミルナの背中で羽根が羽ばたき始める。
逃れられない。
ミルナは暗闇のなかに浮かび上がる。
透き通った死体が手を振る。
扉がゆっくりと開く。